幽霊とミイラ~ちょっと涼しげな?上野の夏休み【三位一体節後第13日曜日】

 涼しげな夏の風景。


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 今度の日曜日(8月30日、三位一体節後第13日曜日)のカンタータは、

 第1年巻のBWV77
 第2年巻、コラールカンタータののBWV33
 その翌年のBWV164
 です。

 8月最後の日曜日ですが、わたしのカンタータの暦では、今週から秋になります。

 BWV77、「夏の夢の終わり告げる」トランペットが今年も登場。


 過去記事はこちら。↓


 <三位一体節後第13日曜>

    三位一体節後第13日曜(BW33他)
    曲目解説・全集でしか聴けない曲~晩夏のジャズトランペット(BWV77他)



 エジプトと日本の冥界の王。


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 * この記事のメインの2つの展覧会は写真撮影禁止に付き、
   このページのすべての写真は、トーハク総合文化展ほか通常展示の関連作品です。
 



 冗談ヌキで、けっこう怖かった展覧会。


 「うらめしや~、冥途のみやげ」展 

  ―全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に―

  @ 東京芸術大学美術館 本館展示室1、2(地下のみ。そこがまた怖い?)

  ~9月13日(日)


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 ブラックライト系のオドロオドロしい光で演出された入口、
 恐る恐る入っていくと、ひんやりとした会場は薄暗く、そのうす闇の中、ぼんやりとした光に照らされて、ずらりと幽霊の絵が浮かび上がっている。しかも、それらの絵は長い長い年月を経た、いかにもいわくありげなものばかり。
 別室で上映されている怪談のビデオの効果音も聞こえてきて、雰囲気満点、ヘタなお化け屋敷よりもずっと怖いと思った。
 けっこう客がいたからよかったが、一人だったら、ぜったいに入れないぞ。


 冒頭、三遊亭圓朝ゆかりの品々が少し並んだ後、すぐに、谷中・全生庵に伝わる有名な圓朝の幽霊画コレクション。
 よく知られた大家の作品もいいが(前期展示の是真や紫紅の作品が観たかった)、
 大半を占める作者不詳の作品の方が、どこか整っていないゆがんだ筆致がかえって幽霊の異形さを増長させていることが多く、とにかく怖かった。
 歌川芳延の「海坊主」など、中にはゆるいものもあったけれど。

 その後のコーナーは、錚々たる大家が登場。
 まずは暁斎や蕭白の作品が並ぶ。
 普段から見慣れているので、もうそんなに怖くないかな、と思ったら、暁斎は例によって表現が過剰でやりすぎなところが、こうして改めて見てみるとめちゃくちゃ怖く、蕭白にいたっては、描かれている表情やポーズが完全にあちらの世界に行ってしまっていて、まともに見られずに思わず目をそむけてしまったほど。
 それに、蕭白の「美人図」、生身の人間の絵なんじゃ・・・・。「うらみ」を描いた絵、ということか。

 その次の、歌川国芳&月岡芳年や師弟の作品になって、ようやくほっとさせられた。
 ほっとするようじゃ作品としてダメなんじゃ、という見方もあるだろうけど、怖いことは十分怖いのだ。特に芳年。でも、あまりにも芸術的な線、色彩、普遍的とも言える格調の高さが恐怖を振り払ってしまうほどに強力だということ。

 そのほっとした感じは、最後の方の、北斎と(伝)応挙の作品でも強く感じられた。
 応挙作と伝えられる作品は、その後の幽霊のイメージを決定づけたる重要なものの一つだが、(わたしが観たのは後期展示の上半身だけのもの)
 例えようも無く静かで美しいと思った。


 (参考)

 * もちろん展覧会は撮影禁止。
   下の写真は、この後行ったトーハクで撮影したもの。


 河鍋暁斎「地獄極楽図」(部分)

 閻魔王の周辺にたくさんの亡者が。
 但し、この作品は、かなり様式的な表現。ユーモラスとも言えるところも。

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 暁斎ならではの個性的な鬼たち。

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 ちなみに、ほんとうは、三菱一号館美術館で開催中の暁斎展にも行きたかったのだが、
 うらめし展やトーハクで、たっぷり暁斎の作品に触れ、もう十分、みたいな気分になってしまった。



 怖いついでに・・・・、



 すぐ近くの、おなじみ、トーハク。


 特別展 クレオパトラとエジプトの王妃展

  @ 東京国立博物館・平成館 ~9月23日(水・祝)


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 いかにも夏の博物館らしい展覧会。
 てっきりミイラも展示しているものとばかり思っていたのだが、こちらの展覧会には、ミイラそのものは展示されていなかった。

 この展覧会、カバーしている年代は、古王国・第4王朝時代の王妃ヘテプヘレス(紀元前2千5、6百年頃)からプトレマイオス朝時代のクレオパトラ(紀元前30年頃)まで、約2千5百年の長きに及び(メインは紀元前1千年代)、地理的にも、一言でエジプトとは言いながら、かなり広範囲に渡っている。
 次々とややこしい名前の王やら王妃やら神々が登場し、もう何が何だかわからず、並んでいるものを、ただただ感心してながめるだけで終わってしまった。

 世界中の美術館、博物館から選りすぐりの至宝を集めているらしく、見る人が見れば始めから終わりまで、それこそ見どころばかりなのだろうけど、素人目にはパンチのきいた目玉が無いようにも感じられた。

 だが、中国がらみの展覧会で見るような、一目見てお~~っと思うような超絶的作品は無い代わりに、現代において普通に使っていてもおかしくないような、美しくセンスの良い装飾の施された日用品などが並んでいて、実はそれが紀元前千数百年頃のものだったりするのを知ると、日本ではやっと弥生時代に入ったような頃に、エジプトの人たちは一体どんな暮らしをしていたんだ、と、無条件に感動してしまう。



 ミイラがあるのは、こちら。

 上記特別展との関連企画、


 特集 親と子のギャラリー

 ミイラとエジプトの神々

  @ 東洋館 2階3室 ~9月13日(日)


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 昨年の親と子のギャラリーは、仏女新聞の生駒市子ども学芸員 第1号の飯島可琳さんをフィーチャリングした、仏像をテーマにしたものだったが、
 今年はエジプト、ミイラ!

 上記特別展と同じようなものがたくさん展示されていた。


 * 特別展 クレオパトラとエジプトの王妃展は撮影禁止。
   以下の写真は、すべて東洋館の親と子のギャラリーで撮影したものです。
   ミイラ、けっこうみんな気軽に撮影していたが(特に外国人)、恐ろしいので写真は無し。



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 上に、日本の地獄極楽図をのせたが、
 このミイラの布には、エジプトの来世の様子が。

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 ワークシートの答え合わせステーション。

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 展覧会のギャラリー・ショップにて、

 古代ムーミン??

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 その他の特集陳列 養生と医学

 ちょっと、ミイラっぽい??
 これは、紙や木でできた銅人形と言い、東洋医学の教材。
 左の写真の物は、金属の網の中に、骨や内臓の様子が見える。 

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 解体新書と巨登富貴草

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 その他の展示


 一番観たかった、国宝室の頼朝書状(宝簡集より)。

 実物は撮影禁止なので、看板を撮りました。直筆の花押部分(左下)。
 頼朝の直筆って・・・・、考えてみれば、すごいな・・・・! 

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 今村紫紅の近江八景

 やはり、この人、すごい。
 この下の2枚の写真は、「比良」の部分。
 近江八景においては本来「比良暮雪」で、もちろん冬景であるべきものを、盛夏の雄大な風景として描いている。
 但し、色彩は、冬の色でもある青と白中心なので、暑苦しいところはまったく無く、涼しい。すかっとさわやかで清涼感満点。そういう意味ではひんやりとした感じもするが、観たものの心に迫ってくるのは、夏、大いなる夏!
 今回の記事のテーマ、「すすしげな夏」の極め付け!

 * こちらは残念ながら、今回の展示は終了しています。

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 他の絵も、一枚一枚がすごい!

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 あいかわらずうまい探幽。

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 これまた夏らしい春信の2枚

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 生き生きと街や名所の様子を描く、

 北斎の新版大道図彙

 またまた閻魔様登場。

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 いろいろと怖いものを見たので、ちゃんとお参りしておきました。

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 夏のトーハク

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 トーハクを出ると、噴水広場でイベントの準備が行われていた。

 「恐怖の小便小僧」と書いてあるが、どんなに恐ろしいことになるのか、見てみたかった・・・・。

 右、裏側。

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カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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