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zoom RSS リントゥ&新日フィル・シベリウス全曲演奏会〜生誕150年’15シベリウス巡礼1【三位一体節後第21】

<<   作成日時 : 2015/10/23 10:27   >>

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 今年はシベリウス生誕150年。


 2月には、尾高忠明&札響シベリウス全曲シリーズが完結し、この記念の年にふさわしい実に感動的な演奏会になりなしたが、(記事、こちら
 この秋〜冬にも、多くの国内外のオーケストラによるシベリウス交響曲全曲演奏シリーズが予定されています。
 フィンランドを代表する、シベリウスを得意とする指揮者も次々と来日!

 
 と、いうわけで、今年の秋は、わたしも、「シベリウス巡礼」というのをやってみようと思い立ちました。

 巡礼とは、言うまでも無く、定められた札所をすべて巡ること。
 実演による交響曲全曲コンプリートを目指したいと思います。時間やタイミングが許せば、ということになりますが。
 その際、せっかくなので、同じシリーズを全部聴くのではなく、さまざまな指揮者&オーケストラによる演奏会に出かけ、異なるタイプの演奏で各曲を聴いてみることにしました。
 シベリウスの交響曲はすべて名曲ですが、実演で取り上げられることがそれほど多くない曲もあるので、こんなぜいたくな体験はシベリウス・イヤーならでは。
 シベリウスファンとしては、夢のような、またとない機会。張り切っていきたいと思言います。
 期待に胸がわくわくします。


 以下、何回かに分けて記事を書き、最後には、今年聴いたシベリウスのCDについても総括したいと思っています。



 今日は、早速その第1弾、ハンヌ・リントゥ指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団(&フィンランド放送交響楽団)による全曲シリーズから、初期&中期のシンフォニーです。 



 10月7日(水)


 Sumida Triphony Hall Presents

 シベリウス生誕150年記念 交響曲全曲演奏会

  (フィンランド放送交響楽団&新日本フィルファーモニー交響楽団)

 【第1回】 シベリウス 交響曲第3番、4番、2番

  ハンヌ・リントゥ指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団

  @ すみだトリフォニーホール


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 ド迫力、豪快系の金管&打楽器、高音が澄み切って心地よい弦。
 少し前にブルックナーを聴いた時に最大の武器になっていたこのオケの特質が、シベリウスにもピッタリ、さらに、全体的に個々の楽器が際立っている音楽の立体的、3次元的な広がりのある表現が、シベリウスの音楽の核心に限りなく迫る。

 指揮者のリントゥさんは、顔つきこそフィンランド人によくいらっしゃる強面タイプだが、身体はスラリとして、指揮姿はスタイリッシュ。きびきびかつ颯爽としたダンシング系。
 これによって生み出される生き生きとして、絶えず変化するテンポが、シベリウスの初期〜中期のシンフォニーの新たな魅力を見事に浮き彫りに。



 3番

 ユーモラスで楽しげなリズムからいくつかのモチーフが生じ、それらが集まって次第に緊張感が高まってゆくと、その頂点で、一気に空高く駆け上がるようなメロディが炸裂する。
 リントゥさん&新日フィルの、若々しい気合に満ちた表現、爽快感満点。
 この印象的な曲の開始で、早くもノックアウト。

 フィナーレの、さまざまなリズムやモチーフが交錯する混沌とした中から、美しいコラールのような旋律が浮かび上がり、いつしかリズムやモチーフなどを従え、それらに荘厳されながら何度も繰り返されるエンディングまで、「シベリウスの旅」を満喫。

 それにしても、これは、名曲だ。名曲中の名曲だ。


 4番

 一切の無駄が省かれた、簡素で凝縮された作風。緊張感に貫かれた難渋な曲、

 ・・・・などのお決まりの「固定観念」で紹介されることが多い曲。
 確かに、冒頭のチェロの開始部など、緊張感にあふれているが、(この部分なんか、宮澤賢治に聴かせてあげたい。きっと大喜びするはず。賢治は、シベリウスを聴いたことがあっただろうか。賢治が亡くなったのはシベリウスがほとんどの作品を発表した後だが、シベリススはその後もずっと長生きしている)
 音楽全体を見た場合、もっと広がりのある、むしろざわざわとして、自然と言うか、野性的なまでに雑然としたところのある音楽に感じられる。
 そんなこの曲の何とも言えない魅力が鮮やかに表現された演奏だった。
 フィナーレのグロッケンシュピールなんかめちゃくちゃ楽しく、心躍るではないか???


 そして、最後、コンサートのメインに2番が置かれていた。

 何が始まるんだろう、と、期待が高まってゆく導入的な第1楽章。
 胸がわくわくする音楽&演奏。

 その後に、いきなり壮重な第2楽章が続く。
 音楽は思いっきり重い。その上、長い。リントゥは、ここではその重さをとことん強調し、しかも、いつまで続くんだ、と思わず意識が遠のいてしまうほどのテンポで、これでもかこれでもか、と歌いこむ。
 わたしは、途中ほんとうに意識が遠のき(つまり眠ってしまい)、気が付いたらまだ同じ音楽が続いていて驚いた。
 フィンランド人にとって、ここが「歌いどころ」なのかもしれない。

 そして、この第2楽章を乗り越えた後だからこそ、その後のスケルツォとフィナーレが一つになったクライマックスの楽章の鮮烈さが、よけい際立った。

 このクライマックスの歌は、感動的に演奏しようとすればするほど、べたっとした感じになってしまい、実際、CDの「名盤」などはそのようなものが大部分だが、
 今回の演奏は、始めに書いたオケ&指揮者の特性によって、ものすごく立体的かつ躍動的。風通しがよく、さわやかで雄大。
 5番のフィナーレにも匹敵する見事な音楽として心に響いてきた。もともと、そんな音楽なのだ。
 しかも、理科大定期で感じられたような、青春の輝きにも欠けていない。



 お客さんは、思ったより入っていなかった。
 誰もかれもが口をそろえて、2番は後期作品のような深みに欠ける、などと言っているせいもあるのかも。
 そんなにも「深い」音楽だけを聴きたいのだろうか。
 その一方で、曲目解説等では、いまだにシベリウスで一番人気のある作品などと書いてあったりするのだから、いいかげん。

 また、フィンランドのオケの回ではなかったためかもしれない。
 シベリウスの音楽はこうでなくては、という思い込みが、いまだに深く息づいている、というのがあるのだろう。

 でも、プログラムを読んだら、こんなことが書いてあった。

 (指揮者のリントゥさんは、)「シベリウスがウィーンに学び、ウィーンのオーケストラの音色に強い影響を受けたことを引き合いに出して、「シベリウスにはいろいろな音があっていいし、わたしは、日本のオーケストラの独自の音を変えようとは思いません」と語った」

 そもそも、シベリウス自身、常に国際的なもの、普遍的なものを目指し続けていた。

 それに、2番なんかは、イタリアの明るく暖かい自然に触発されて生み出された曲。
 明るい自然の光に満ちた青春の音楽として見た場合、2番ほど魅力的な音楽は無いと思うが。
 そして、今回の演奏もまた、それにふさわしい、これ以上ないくらい魅力的な演奏だったと思う。

 7番やタピオラの世界は確かにすさまじい。唯一無二の境地の音楽だ。
 しかし、なぜ、それが「絶対的な、最高のシベリウス」と決めつけて、すべてをその基準で判断するのだろう。

 マタイこそがバッハの最高の姿であると信じて疑わず、すべてそれと比べて頭で価値を決めつけてしまうのとよく似ている。
 そういうところが、日本のクラシックファンにはある。(といいつつ、結局わたしにもそういうところがある)
 だから、なるべく多くの生の演奏を聴き、なるべく多くの種類、タイプの演奏に無心で耳を傾けようと思う。


 日本人オケによる、そして、その響きを尊重するフィンランド人指揮者による、シベリウスの「円熟前」の交響曲、2番。
 ここにもあふれんばかりの「自然」があるし、何よりもここには、他の作品には無い青春の息吹がある。
 その魅力を堪能させてくれる、すてきな演奏会だった。

 
 


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 スカイツリー


 ホームから部分的に見ると、ちょっとした塔みたいに見える。

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 街に出て、全体を他の建物と比較して見ると、やはり非現実的なまでに大きい。

 (ホールに続くデッキに登るエスカレーターから)

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 アルカキット錦糸町からのツリー。

 展望エレヴェーターから。

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 10階レストラン街、喫煙室は、穴場スポット。

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 屋上

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 ホールから見えるツリー

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 コンサートの感動をかみしめながら。

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 すごいお寺。増上寺の「塔」もすごいが、こちらの「塔」もすごい。

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 早乙女ケイ子先生のイラストみたいなジャケット

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 今、予習で聴いているところ。

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  ☆    ☆    ☆



 最後になってしまいましたが、カンタータのお知らせ。


 今度の日曜日(10月25日・三位一体節後第21日曜日)のカンタータは、
 
 まずは第1年巻のBWV109
 コラール・カンタータ(第2年巻)は、のBWV38
 それから、後期作品のBWV98、BWV188

 古様式多用、格調高い雰囲気が魅力のコラールカンタータ、BWV38
 それに対して、全体的にしっとり、いかにも「小春日和」という佇まいのBWV98
 そして、秋のカンタータを代表する美しい舞曲アリアを有するBWV188
 バラエティ豊かな秋の作品群です。

 
 過去記事はこちら。↓


 <三位一体節後第21日曜>

    夢のピカンダー年巻はどこに(BWV188、98他)
    お気に入りのアリア・ピカンダー編、今この季節のための音楽(BWV146、188)
    フーガとジャズは、親戚か?魂のインタープレイ(BWV38、188)





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