どちらも魅力的!ベートーヴェン、モーツァルトの新旧名盤、ほか~今年聴いたCD・室内楽編

 先週、「いっしょにカンタータを聴いてゆきましょう」、と言ったばかりですが、バッハの時代のライプツィヒではアドヴェント期間中第1日を除いて華美音曲禁止だったので、これからクリスマスになるまでの間、バッハのライプツィヒのカンタータは存在しません。

 従ってクリスマスを迎えるまで、わたしのカンタータのお知らせもお休み。

 毎年その期間を利用して、その年に聴きためたCDについて記事を書くことにしています。

 早速今年も、CDのご紹介。

 まずは、珍しく室内楽のCDから。よいCDが出たので。



 最近、眠る前にいつもかけている、ベートーベンのカルテット。



 まずは、新しい名盤の宝庫、ATMの最新盤から。


 ベートーヴェン 中期&後期弦楽四重奏集

  アルカン四重奏団


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 昨年結成25周年を迎えたカナダの名カルテット、アルカン四重奏団が、2007年から2011年にかけて録音したものを、初期・中期・後期のそれぞれ3枚組セットに分けてリリース。
 後期作品集をずっと待ち続けていたが、今年ようやくリリースされ、これによって全集完結となった。

 中期では、「ハープ」の美しさがただごとではない。
 ラズモフスキーの生き生きとした躍動感も圧巻。

 ただ、やはり最高なのは、純音楽的な美しさに満ちた後期作品集だろう。
 どの曲も、聴く度に何て良い曲なんだろうとしみじみ思ってしまう。

 必聴!

 

 お次は、今年購入したものではないが、常に座右に置いて、今でもたまに聴いている全集。


 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲全集

  ジュリアード四重奏団


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 スメタナ四重奏団とこのジュリアード四重奏団の演奏によって、ベートーヴェンの四重奏曲を知った。
 今でも基本はこの演奏。



 おしまいに、古~い演奏。

 録音は古いけど、長らく入手困難だったものが、最近新しい姿で蘇ったものです。


 アドルフ・ブッシュ&ブッシュ四重奏団 ワーナー録音全集

 
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 昔、ウィーン・コンツェルト・カルテットのシューベルト後期四重奏曲&五重奏曲(ウエストミンスター・レーベル)とともに、ブッシュ・カルテットのベートーヴェン後期四重奏曲(エンジェル・レーベル)が大好きだった。特に15、16番!

 古いGRシリーズのLPレコードは処分してしまったので、ずっと聴くことができずにいたが、今年アドルフ・ブッシュがらみのEMI録音をすべて集成したものが、廉価BOXセットとしてリリースされたので、即購入。
 これも手元に置いてよく聴いている。


 リマスターCDであるせいか、記憶の中にあるGRシリーズ盤のある種幽玄とも言える響きは失われてしまっていて、少しがっかり・・・・、ではあったが、音楽の大きさ、力強さは昔のまんま。
 いや、明晰な音によって、それら音楽の核心がよりストレートに伝わってきて、現代でも十分に楽しめるモダンさも兼ね備えているように感じられた。



 ついでに、モーツァルトも。

 いずれも、以前から持っているCDだが、最近ベートーヴェンとともによくかけているので。

 こちらも、古い録音と比較的新しい録音。

 モーツァルトは四重奏曲よりも、断然五重奏曲(管楽器入りも含む)の方を聴く。


 バリリ四重奏団の弦楽四重奏曲&弦楽五重奏曲全集上)、

 アンサンブル・ヴィラ・ムジカの弦楽&管楽を含む五重奏曲全集(下)。

 (写真は手元に置いていたものだけ) 


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 バリリ・カルテットは、言うまでも無く、上記ウィーン・コンツェルトハウス・カルテットと並ぶ、ウエストミンスターの看板グループ。
 明るく柔らかな響きがほんとうに心地よい。

 アンサンブル・ヴィラ・ムジカは、知る人ぞ知る名人アンサンブル。
 演奏する作品に応じて、ドイツのさまざまなオーケストラの腕利き奏者が集結して編成されるアンサンブルで、どんな室内楽作品(特に独墺系)でも、このアンサンブルのCDを選べばまず間違いない。
 特にこのモーツァルトのクインテット全集(弦楽以外の五重奏も含む)は、新しい響きとひらめきの連続、作曲家はちがうが、「楽興の時」と言う言葉をしみじみと感じさせられるような演奏がそろっている。
 (もちろん、シューベルトやシューマンにも名盤あり)



 最後に、フランスもの。


 フランスの室内楽では、やはりフォーレやサン=サーンスが好きだが、数は少ないながら、やはりドビュッシーやラベルは魅力的。

 今回は、ちょっと変わった、ラヴェルのカルテットを2種類。


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 管楽五重奏による「マ・メール・ロア」、弦楽四重奏曲、ソナチネ

  オルランド五重奏団


 フランスのカルテットの頂点をなす一曲、ラヴェルの名曲を、ウィンド・アンサンブル用に編曲したもの。
 この曲の冒頭のメロディを聴くと、小春日和の柔らかな日差しが降り注ぐ日本庭園に自分がいるかのような、しみじみと幸福な気分になるが、その独特なメロディの良さが、管楽器によって奏されることによってより一段と際立つ。
 冒頭のメロディ以外にも、この曲は、ラベルらしい名旋律にあふれているので、それらの一つ一つが心に迫ってきて、たまらない。
 しかも、弦楽四重奏のパートを4つの管楽器に移したものではなく、5つの管楽器に「拡大編曲」しているので、全体としても、より広がりのある色彩感豊かな響きになっており、結果的にオリジナルよりもはるかにラヴェルらしい音楽になっている。

 秋の良く晴れた日、のんびりとした午後にこのCDをかけていたら、何とも言えないその美しさに、心がしめつけられそうになった。



 ラベルのカルテットの編曲ものでは、こんなのもあった。


 メシアン 美しき水の祭典、未刊の音楽帖、
 ラヴェル:弦楽四重奏曲より第1楽章(オンド・マルトノ四重奏版)


  モントリオール・オンド・マルトノ・アンサンブル


 昨年末にメシアンのトゥーランガリラを生で聴き、オンド・マルトノに興味を持ち、購入したもの。
 おまけについているラヴェルのカルテットをオンド・マルトノ・アンサンブル用に編曲したものが、思いがけない拾い物だった。
 富田勲のドビュッシーアルバム、「雪の上の足跡」を思わせる響き。富田勲にはラヴェルの華麗なアルバムもあるが、それではなく、なぜかドビュッシーの方を連想させる。
 未来的でSFチック、不思議なんだけど、とても人間的な郷愁を感じさせるような、そんな響き。
  
 オンド・マルトノが奏でる第1楽章冒頭の夢見心地なメロディにひたる喜び。
 これもまたぜいたくな体験。



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