復活節後第1日曜日 春の屋上庭園

まずは、先週(復活節)のカンタータを聴いた一口コメントから。

復活節は3日間ありますので、今年聴いたのも、以下の3曲。


リリングのヘンスラー全集より。


BWV6

2年目、コラールカンタータ年巻完成後の作品。
後期の豊潤で自由闊達な時代の幕開けを告げる記念すべき作品の一つ。

少し前の聖金曜日に上演されたヨハネ受難曲(コラールカンタータ・バージョン)の雰囲気をそのまま引き継ぐような、荘厳だが、春の夕べを思わせる清浄な香気に満ち満ちた大合唱。
それに、
のどかなオーボエのオブリガートが魅惑のアルトアリア、
清々しい風が吹き抜けていくかのようなヴィオロンチェロ・ピッコロのオブリガートが印象的な、ソプラノ歌唱のコラール楽章(のちにシュウープラー・コラール集に編纂)、
等々、充実しきった音楽が続く。


BWV66

カンタータの巨大な山脈の中に、失われたコンチェルトの断片などとともにまるで宝石のようにちりばめられている、バッハの傑作の森・ケーテン時代の誰も知らないもう一つの作品。
その中でも、この後に聴くBWV134とともに、ひときわあざやかに光り輝いている宝石。
春の到来を高らかに告げるかのような、生きる喜びと生命力に満ちあふれた作品。

バッハお得意の「天翔けるモチーフ」が炸裂する、正に春の女神が空を駆け抜けてゆくのを見るかのような冒頭合唱。
やわらかで大らかな弦楽合奏のオブリガートが魅力的なバスアリア。
そして、
もはや夢のように美しい、というより他に表現が見当たらない、天国的長さの、Vnのオブリガート、アルトとテノールによるデュエットアリア!


BWV134

BWV66と並ぶ、
「誰も知らないケーテン時代の大傑作」。

BWV66第5曲デュエットアリアとはまるで双子の兄弟のような、中間の第4曲、Vnがオブリガートのアルトとテノールによるデュエットアリアが白眉!これもまた、天国的長さが圧巻!
バッハのカンタータのアリアの中で、わたしが最も好きなものの一つかもしれない。
対位法的な音の綾が静かに静かにどこまでも広がってゆくかのような、静謐な極まりないBWV66のアリアに対し、
こちらは、はるか遠く未来を見据えながら、春風に中にまっすぐに立つような、どこかヒロイックな情感がたまらない。
そのアリアを、2曲のパスピエ舞曲が取り囲む、という、ちょっと他には無いくらいの明るい曲調。
2番目のパスピエ、デュエットが大合唱を導びく終曲は、春の行進を思わせる壮麗な音楽。
まぶしいくらいに明るく、はじけんばかりの躍動感にあふれたケーテンの音楽こそ、復活節には、ふさわしい!


リリング全集は、正々堂々真っ向勝負の、音楽の基本に立ち返った誠実な歌唱や演奏が本当にすばらしい。
奇を衒うこと無いきちんとした演奏が重なり合うことによって、バッハの対位法の綾も自然に浮き上がってくる。
特に、BWV134のデュエットアリアに聴く、クラウスとワッツの心がこもりきった歌唱、ワルター・フォルフェルトの力と美にあふれるVnはほんとうに見事!



そして、今日(4月19日、復活節後第1日曜日)のカンタータは、

第1年巻のBWV67、
ライプツィヒ2年目の(ただし、すでにもうコラール・カンタータではない)BWV42、

の2曲です。

どちらの曲も、復活節の雰囲気をそのまま引き継ぐ、春の気配が色濃い名作カンタータ。


先週リンクした

春のよろこび~復活節 【復活節(イースター)・カンタータ一覧】(一口コメントつき)

をご参照の上、春爛漫の音楽をお楽しみください。


過去記事はこちら↓


<復活節後第1日曜>

  「教会」コンチェルト・バッハの最高の協奏曲は・・・・?(BWV42ほか)
  桜・さくら・サクラPart 2~江戸絵画でバーチャルお花見+BWV67簡単解説




以下、3月上旬に撮影したものです。



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