復活節後第4日曜日 春と大仏

まずは、先週(復活節後第3日曜日)のカンタータを聴いた一口コメントから。

先週は、2年目、ツィーグラー・シリーズの第1作、BWV103と、
後期のBWV146、
を聴きました。

演奏は、いつもの通り、リリングのヘンスラー全集より。


女流詩人によるツィーグラー・シリーズは、コラールカンタータと後期の自由なカンタータとの橋渡しをするような作品群。
BWV103はその壁書を飾る、一見地味なようでいて、バッハのチャレンジ精神に貫かれた野心作。
第2曲レチタティーヴォと終結コラール以外はすべてアルトが歌唱。すでにソロカンタータの様相さえ呈している。

バッハの勝負調性・ロ短調の冒頭合唱は、フルートピッコロの清楚で凛とした響きと、うねるような半音階のドラマチックな大合唱が混然一体となった不思議な音楽。合唱が盛り上がってゆくにつれ、フルートピッコロの響きが時々大気を切り裂く叫びのような迫真性を帯びる。
それに続くのが、
今度は一転して哀愁に満ちたフルートピッコロのオブリガートに彩られた、春の野原をぽつぽつと彷徨うようなアルトアリア、
バッハお得意の、天馬空を行くような力強いトランペットのパッセージが炸裂するアルトアリア、
完成度はすでに後期の色合い。


そして、ピカンダー・カンタータの名作、バッハの春のアリアの横綱級の傑作をいくつもその懐に有するBWV146は、まごうこと無き後期の頂点を成すカンタータ。

シンフォニア(ヴァイオリンコンチェルト→クラヴィーアコンチェルトの中間稿)の華やいだ響きで幕が開けると、
バッハの至高のアリアが花開く。
青空をふんわりと流れゆく雲の上で寝転ぶような、安らぎに満ちあふれたアルトアリア、
あたかも初夏の森羅万象のダンス、大行進を思わせるデュエットアリア、

どちらのアリアも、初夏の柔らかな風のように、心をやさしく包み込んでくれる。バッハを聴く至福、ここに極まる。



そして、今日(5月10日、復活節後第4日曜日)のカンタータは、

1年目のBWV166、
2年目のBWV108、

の2曲。

コラールカンタータが完結し、先週からツィーグラー・シリーズが始まった2年目のカンタータですが、
初年度のカンタータにおいては、今週から、コラール・カンタータに向けての実験作、器楽オブリガート付コラール編曲楽章を有する「定型カンタータ」シリーズが始まりました。

それぞれの年代において、バッハは「さらなる高み」をめざして飽くなき挑戦を続け、それは大きな螺旋状スパイラルを描きながら、わたしたちの四季の生活を彩る「教会カンタータ」という巨大な作品群を形成してゆくのです。


過去記事はこちら↓


<復活節後第4日曜>

  風薫る5月のVnソナタ(BWV108)
  「166番」と四月の思い出(BWV166)



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