旅の道連れ~アンサンブル・ジル・バンショワ、デュファイ・バンショワ・シャンソン集

 しつこいようですが、また北海道のこと。
 つけたしで、極めて個人的な記録を、ちょっとだけ。
  


 これまで、旅というと、リゾートや滞在型が多かったので、いつもさまざまな音楽を道連れに、でかけるのが常でした。
 先日の北海道旅行も、通例通り、さまざまなブログ等で教えていただいたりした音楽を詰め込んでいきました。
 でも、今回のは、典型的な観光旅行。
 観光に夢中になり、忙しくて、残念ながら、まったく音楽を聴くことはありませんでした。

 でも、ただ1度、1曲だけ。
 音楽を聴く機会がありました。


 ノロッコ電車の臨時駅、その名も、「ラベンダー畑」駅。

 今回の旅行のクライマックス、満開の花畑の観光も終えて、あとは、もう、東京に帰るだけ。

 帰りのノロッコ電車も、ぜひよい席に座って、ゆっくりと景色を目に焼き付けていこう、と、
 かなり早めに駅に向かいました。

 そうしたら、夕方ということもあってか、駅にはほとんど人影は無し。拍子抜け。
 かなりの時間、駅で時間をつぶさないといけない状況になりました。

 はじめは、まわりの写真をとったりして遊んでましたが、(↓特製パノラマ写真)
 そのうち、それもあきてしまった。

 平野の真ん中にポツンとある、形ばかりの臨時駅です。
 まわりには何もありません。

 でも、ファーム富田の、さまざまな花の色に塗り分けられた斜面と、雄大な十勝岳連峰にはさまれた、実に気持ちのよい場所。
 空も大地も広々として、風がはるかに渡り、線路はどこまでもまっすぐ。
 すぐ横の、農家の方が手入れなさっている小さなラベンダー畑は、満開。蝶やハチが舞い飛んでいます。

 あとは、ただ、線路に寝そべって、電車を待つことにしました。


 さわやかな空気を胸いっぱい呼吸しながら、空を眺めつつ、ただただ、ぼーっとしていました。
 なんて、ぜいたくな時間。かけがえのない時間。

 どれくらいそうしていたでしょう。
 ふと、音楽を聴いてみよう、と、思いました。
 もう何日も、音楽のことなど、忘れていました。


 聴く音楽は一つしかありません。
 アンサンブル・ジル・バンショワ、
 デュファイ、バンショワ・シャンソン集。

 これは、わたしの思い出の名盤なのですが、ずっと手元に無く、
 数ヶ月前に再会をはたしたものです。
 ただ、昔の印象が強すぎて、なんだかこわくてずっと聴けずにいました。
 もしかしたら、聴くこともあるかもしれない、と、一応持ってきていたのです。

 聴くなら、これだろうな、と、思いました。


 夢のように美しい、ブルゴーニュ・シャンソンの数々。
 音楽の美神、デュファイとバンショワが、交互にとっておきの歌を歌い交わします。

 時間の霧の間から、究極の美の世界が、まるで幻灯のように立ち現れて、目の前の実際の景色と重なり合いました。

 そして、ラスト、コンスタンチノポリスの聖母教会の悲しみ。

 昔聴いたのと同じ、いや、昔よりもさらに美しくきらめく、静かな静かな音の波が、
 北海道の清々しい空いっぱいに流れたことは言うまでもありません。 



▽ やがて、パラパラと人も集まって、
  線路の彼方から、帰りのノロッコ号がやってきた。

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 右側の斜面が全部、ファーム富田。
 ホーム左側奥のムラサキ色の部分が、小さな小さなラベンダー畑。
 この左側に、雄大な十勝岳連峰が連なっています。



☆ おまけ・特製パノラマ写真 <臨時駅に続く道>

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