バーチャル大江戸散歩 Vol.2~熙代勝覧

 東京では、急にすずしくなったと思ったら、秋の長雨が続いています。
 行楽シーズンはまだまだ先のようですね。
 と、いうわけで、今日は、バーチャル散歩の続き。



 熙代勝覧

 「輝ける太平の世のすぐれた景観」
  と、いうような、意味だそうです。

 
 通町と呼ばれた道幅20メートルもの江戸のメインストリート。(現在の中央通り)

 その中でも、もっともにぎわっていた、今川橋(現在の山手線神田駅南。神田堀は埋め立てられ現存しないため、地名のみ残る)から、江戸の中心、日本橋まで。

 その、約700メートルほどの区画の、
 商家や家々、公共施設の一軒一軒、道行く人々の一人一人、乗り物、動物の一つ一つにいたるまでが、びっしりと描きこまれた、
 まるで歴史の急流の中から、突然浮かび上がってきて、わたしたちに、失われた夢の江戸の姿を垣間見せてくれるかのような、奇跡のような幻の絵巻です。


 時は文化年間(1800年初頭)、春。
 やりたい放題の将軍家斉のもと、江戸の町人たちもまたやりたい放題、
 元禄時代に次いで、
 いい意味でも、悪い意味でも、江戸文化が大爛熟した時期です。
 (大奥の全盛期でもあります)


 それでは、「輝ける景観」、というか、なんとものどかで、少しまぬけな景観ですが、
 少しずつのぞいていきましょう。



 ☆ 絵は、クリックして、右下タグで拡大すると見やすいです。
   ピンクのラインを引いた人物や物などが、どこかに描いてありますので、お探しください。



 まずは、スタート地点。神田堀にかかる今川橋のたもとの情景。
 このあたりには、木賃宿が多かったせいか、
 六十六部(画面右端。仏像のはいった厨子を背負っている。落語で有名)、
 琵琶法師(画面左端)などの姿が見られる。

 すでに、大八車駕籠天秤棒なども見られる。
 この辺は、せともの屋ばかりみたい。

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 少し行くと、すごい荷物を引いた牛車が登場。他に騎乗の武士武家の駕籠(少し豪華)など。
 中央手前の屋根の上の櫓は火の見。江戸の町にはこんな火の見がたくさん立ってました。
 中央奥に、他の建物と比べ、ちょっとぼろいけど、いかにもおいしそうなおしるこ屋さんが見えます。
 今でもあるなあ。こういうお店。

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 町境や、横丁の入口には、このような木戸や番屋がありました。
 以下、木戸周辺の情景。

 左の絵、木戸のすぐ前にいるのは、子どもの巡礼
 奉公人等が、突然身一つで出発し、手にした柄杓に寄付をもらいながら、
 お伊勢詣り等をする風習がありました。(これも落語で有名)
 手前右側に、キセル売り付け木(木片に火薬をぬったもの。今のマッチだか、巨大)売り大工のペア、などもいますね。

 右の絵、手前左には、ものすごく力持ちの人たちが。(青竹売りと竹売り
 手前右には、虚無僧のペア。虚無僧は、さまざまな特権を持っている上に歌舞伎などの影響で人気もあり、店先等で尺八を吹いて、寄付をつのった。(門付け)

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 雛市のにぎわい。
 華やかな春のお祭り。お江戸は、まさに、春、まっさかり。

▽ 中央に、江戸式車椅子の人が。
  食生活の変化により、脚気になる人が多かったそうです。 

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▽ 左側、あちこちに、江戸の町娘のあこがれ、花売り男の姿が。(桃の花を売る)

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 ちょっと変わった商売等。

 左の絵は、江戸のオープンカフェ
 飛脚や、あやしい勧進の取立ての姿も。

 右の絵、中央に、米搗き屋。たるを転がして家々をまわり、米を搗く。
 手前、左から、かんざし屋獅子舞貸本屋
 貸本屋は、本をみんな担いで歩く。遊郭の花魁から、大店の奥さん、町娘まで、みんな資本屋をお待ちかね。貸本屋の姿はやたら多い。

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 まだ半分も来てませんが、
 少し歩きつかれました。
 とりあえず今回はここまで。 
 (つづく) 



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この記事へのコメント

koh
2007年09月14日 22:43
こんばんは。おじゃまいたします。
こんなふうに、江戸の町を描いたものは、ほんとうに魅力的です。Vol.1でNoraさんは、もし行けるものなら①ライプツィヒ、②江戸、とおっしゃっていますがまったく同感です。廣重の「名所江戸百景」などを見てそのように思っていましたが、この「煕代照覧」を見せていただいて、ますますその思いを強くしています。
ただ、行くとすると医療システムとトイレの問題はあります。なんらかの方法でそのふたつが解決できれば、ずっと行ってしまって帰れなくてももいいのですが。
2007年09月15日 14:15
こんにちは。暑いですね。
故杉浦日向子や田中優子さんの江戸に関する本が好きです。
で、このバーチャル大江戸散歩第2弾を楽しく拝見しました。
意外なものや人を発できて嬉しいです。
江戸式車椅子があったのですね!こどもの巡礼がいたのですか。
でも道路、牛や馬がいたということは凄く臭いのでしょうね。
この間のイニシュモア島で久しぶりに猛烈な臭いの道を歩きました。

ライプチヒでバッハの勤めていた教会だけよく覚えています。
間違えているかもしれません。
2007年09月15日 14:23
追伸です。教会の名前は聖トーマス教会でした。

今中公文庫の『江戸職人図聚』三谷一馬著 500頁でなかなか読めません。Noraさんは既にお読みでしょうね。
2007年09月16日 01:20
 kohさん、こんばんは。
 言われてみれば、ほんとに行くとなると、いろいろと困ったことはありそうですね。(笑)
 でも、やっぱり楽しそう。
 それに、このころの江戸は、世界でも最先端都市で、いろいろなことが意外と進んでいたようです。 
 この熙代照覧は、1800年くらいですが、バッハが生きていたのも、やっぱり江戸時代ですね。(元禄時代~、くらい。)
 同じくらいの過去でも、江戸とライプツィヒでは、外国のライプツィヒの方が、何となく現代との乖離感は少ない気がするのがおもしろいです。でもこれは、わたしのイメージの問題かも。
2007年09月16日 01:40
 tonaさん。こんばんは。
 杉浦日向子さんは、本もおもしろいですが、「百物語」、「百日紅」などのまんがも大好きでした。北斎が、とにかくかっこよかった。
 TVなどでもお元気な姿を拝見してましたが、亡くなったのが残念です。

 こどもの巡礼は、落語などにも出てきますが、奉公の子どもたちが、突然出発して、ほんとうに伊勢などにまで行ってしまうそうです。店側も公認で、事前に気付いていろいろこっそり段取りをつけてやったり、街道沿いの人たちも、柄杓を持っていれば何から何まで面倒をみてあげたらしい。のどかな時代ですね。もちろん危険もあったのでしょうけれど。
2007年09月16日 01:46
 tonaさん、続きです。
 「江戸職人図聚」、まだ読んでませんが、ぜひ、読ませていただきます!

 聖トーマス教会、行かれたのですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
(万感の想い)
my favorite stories
2007年09月16日 09:20
 Noraさん、おはようございます。今日は家で競馬と読書を楽しもうと思っております。ところで <煕代照覧> の江戸の風景、きれいで素晴らしいですね。私が持っている <江戸学事典> と <江戸名所図会を読む> にもかなりの江戸の町並みが載っていますが、これほど鮮明ではありません。若い頃、時代小説にチャレンジしていたんですよ。その時、買ったものですから、かなり古いです。今はチャンバラに夢中で、ただ読むのみです。将軍家斉の時代は仰るように爛熟した江戸文化の真っ只中で、贈収賄の時代でした。何年ぶりかで、短編に挑戦していた若い頃を思い出させて戴きました。
 又、Noraさんの江戸の紹介を楽しみにしております。
 まだ残暑が厳しいようです。お身体お大切に。それでは失礼致します。
2007年09月16日 23:55
 my favorite storiesさん。こんばんは。
 きょうはまた暑かったですね。
 時代小説は少ししか読んだことないですが、時代劇は割りと好きです。
 この前、眠狂四郎のDVDを借りたら、夢中になってしまい、全巻観てしまいました。ちょっとちがいますか?(笑)
 狂四郎も、ちょうど家斉の時代で、爛熟しきった時代の空気がとてもよく表わされていて、その中で自分の美学を貫く狂四郎がなかなかステキでした。
 いろいろな江戸風俗が出てきましたが、中でも、「尻押し」の子どもが印象深かったです。
 神社の長い階段などで、「尻押しつかまつるー」と言って、木の支えで後からお尻を押してくれるのです。
 煕代照覧は、平地ばかりなので、出てきませんね。
 その後、名所図会などを見ると必ず探すのですが、なかなか巡り会えません。
my favorite stories
2007年09月17日 18:50
 Noraさん、又々今晩はです。市川雷蔵さんの「眠狂四郎」ですか。今、一番観たい映画です。そしてお金を出して観る映画です。嬉しいですねぇ・・・市川雷蔵さんのニヒルで凄みと優しさの狂四郎・・・若い頃は映画館で全部観ました。数年後テレビがデジタルになるそうですが、大型の画面になりましたら、このDVDは全巻手に入れようと思っております。雷蔵さん の <眠狂四郎> とは感激です。
 又、これからも宜しくお願い致します。
2007年09月17日 22:41
 my favorite storiesさん。こんばんは。
 映画館でご覧になったのですか!大迫力でしょうね。 
 雷蔵さん、うちの小さなボロTVでも、この世のものとも思えない美しさでした。
 DVDには、おまけで当時のニュース映像がついてるのですが、普段着の雷蔵さんはどれがそうだかわからないほど、地味で静かな感じなのに、狂四郎のあの妖しく光を放つような存在感はいったい何なのでしょう!

 全14作、一気に観てしまいましたが、監督や台本がちがうので、中にはけっこうハチャメチャな話もあるのに、狂四郎が始めから終わりまで、「ニヒルで凄みと優しさ」あふれる狂四郎なのは、雷蔵さんがそれだけ真剣に、大切に、演じられたからなのでしょうね。

 それにしても、狂四郎、強いです。(笑)
 幕府や強大な組織が狂四郎を陥れようと陰謀をめぐらすと、普通ハラハラするところなのに、
 狂四郎を怒らすとやられてしまうのだから、あまりかまわなければいいのに、と、逆に敵側の末路が心配になってしまう、(笑)
 こんな映画、観たことありません。

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