ついに「變臉」を観た!+イルミ2008 その1

 中国の名優、朱旭(チュウ・シュイ)さん主役の映画、「變臉」(へんめん)に対する思いは、「こころの湯」の記事の中にも書きました。
 ここ数年、ずっと観たくて、映画館やレンタルショップのチェックはしていたにもかかわらず、いつも空振りばかりだったのですが、
 今回、ついに、観ることができました。


 新宿のミニ・シアターで、実に壮大なタイトルの特集を開催中。

 中国映画の全貌 2008 at 新宿 K’s cinema

  (~12月19日(金)まで)


 詳細はこちら


 さすがに「全貌」というだけあって、「變臉」もプログラムに組まれていて、全部で3回上映するうちの最終上映の前日に気がつき、滑り込みで間に合ったかたち。 


▽ 「中国映画の全貌」 ロビーのポスター
  草原やらくだなどの写真のオンパレード。
  観たかった「モンゴリアン・ピンポン」もやったようだが、終わってしまった。

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 というわけで、「變臉」、ようやく観ることができた記念に、感想等を書いておきます。



 「變臉」(へんめん)~この櫂に手をそえて

  (1996年、中国=香港、ウー・ティエンミン監督作品)



 変面王、と、誰もが尊敬を込めて呼ぶ老人、ワンさん。(もちろん朱旭さん)
 伝統芸能「変面」の名人である変面王は、猿の「将軍」と二人っきり?で船を住処とし、川づたいに四川のさまざまな街を回っては、その神業を披露して暮らしている。

 すでに年老いている彼には跡取りが無く、一子相伝の秘術を誰に伝えるかが悩みだったが、ある時、洪水のあった街で、一人の子どもを引き取る。
 大喜びで子どもと暮らし始めた変面王。
 だが、実はその子どもは、術を伝えることを禁じられている女の子だった・・・・。

 
 冒頭のお祭のシーン。

 どこかの古都なのか、映画のためのセットなのかわかりませんが、見事に再現された、20世紀初頭の中国の街は、雰囲気満点。
 あちらこちらから聞こえる楽しげな音楽。
 その中で、巨大な龍の出し物がのたうちまわり、それに向けて、あるいは街中のいたるところで、ところかまわずに花火が炸裂し、爆竹などの轟音が響きわたる。
 ひしめきあう老若男女。

 そのまっただ中で、自慢の変面を演じる変面王。
 驚嘆の声。大歓声。

 並び立つものの無い技を身につけている人だけが有する余裕のある身のこなし、静かな力を秘めたまなざし。
 そして、次から次へと瞬時に面を変えていく、すさまじい芸。

 すっごいです。
 このシーンの朱旭さんを、映画の大画面で観るだけでも、心が震えます。


 でも、この後、後継ぎとして引き取ったクーワーが女の子だとわかったあたりから、変面王の運勢は、どんどん下降線をたどります。
 次から次へと襲い掛かるピンチ。まるでジェットコースター。
 悪いことが悪いことを呼び、なんでここまで、と思うほど。
 この過程の、次第に打ちひしがれていくチュウ・シュイさんの演技が、ものの哀れを誘い、またすごい。
 冒頭の力に満ちていた人物と、とても同一人物とは思えぬほど。

 そして、そんな中で、変面王を救うため、力強く活躍するのが、クーワーと、四川劇の看板女形スター、「人観音様」と呼ばれるリャンさん。

 この二人の演技も、チュウ・シュイさんと正面からがっちりと組んで、すごい。
 後半は、ある意味、この二人が主人公。
 特に、クーワー役の女の子、天下のチュウ・シュイさんと、互角かそれ以上にわたりあい、時には完全に飲んでしまっています。
 雑技も完璧にこなすし。

 
 さまざまなレヴュー等を総合すると、
 「芸一筋に生きる老人と女の子の心の交流を描いた心あたたまる名作」ということだったので、
 これまでずーっと、しみじみとした映画なのかな、と思っていたのですが、
 とんでもなかった。

 波乱万丈、まるで中国の史劇かなにかを思わせるような大活劇でした。

 ラストシーン。
 予想通り、変面王とクーワーと「将軍」が、楽しそうに船を走らせている、という、正に副題「この櫂に手をそえて」そのままの、実に心温まる印象的なひとコマですが、
 果たしてこんなにもたくさんの艱難辛苦を乗りこえなければ、ここまでたどりつけなかったのだろうか。


 変面王を救おうとする過程で、華やかなようでいて実は社会的立場の弱い、当時の中国における役者、芸人の位置づけを、思い知らされる人観音様ですが、
(映画では、このあたりが実にうまく描かれている)
 最後の最後に、彼が力強く語る言葉。

 「例え何人たりとも、人々の心に潤いをあたえるわたしたちの芸を抑えることはできないのです」

 ありきたりの言葉ですが、この映画を観ると、おー、その通り、と妙に納得してしまう。
 広く芸術の真実でもあると、思います。



 こうなったら、まだ観ていない「心の香り」を是が非でも観てみたい。
 この特集で上映したのですが、こちらは見逃してしまった。



  ☆    ☆    ☆



 tonaさんがご自身のブログでご紹介なさっていたイルミネーションが美しかったので、せっかく新宿まで行ったことですし、見てきました。



 SHINJUKU サザンライツ 2008~2009


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 新宿テラスシティ イルミネーション 2008

  ~ブリリアント・ブレス・テラス~


 1、新宿サザンテラス (~’09年2月25日まで)


 
光の並木道。つきあたりに、小さく見えるのが、「ブリリアント・ドーム」。

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 スイカのペンギンくん?

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 2、モザイク通り (~12月25日(目)まで)


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 こうして見ると、tonaさんと同じ場所の写真ばかりになってしまった。
 真似してるみたいになってしまい、すみません。

 青い光がとてもきれいで、行ってみてよかったです。



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

2008年12月12日 08:45
おはようございます。
新宿のイルミネーション、とても良く撮れていますね。
さすが、お上手です。同じ所を撮っているのに違いが歴然。
拍手です。
雰囲気が伝わってきました。
イルミネーションは何とか撮れましたが、問題は花火です。
来年は撮ってみたいけれども、今までは流れて全然目も当てられませんでした。
2008年12月13日 21:24
tonaさん、こんにちは。
 新宿のサザンライツは、いろいろな種類の個性的なイルミネーションが、駅周辺のいたるところにちりばめられていて、とても楽しかったです。
 tonaさんの記事のおかげで、ポイントを見逃すことなく回ることができました。ありがとうございます。
 tonaさんの記事にもあったモザイク通りのオーロラ型イルミネーション、とても美しかったので、少し大きめのサイズでのせてみました。
 写真は完全に二番煎じみたいになってしまいましたが、写真の腕は、被写体の美しさでカバーです。

 花火もほんとうに難しいですね。写真を見ると、実際に見た感動がまったく表現されていなくて、がっくりしてしまいます。
 とにかく、カメラを固定することが大切なようなので、わたしもまたチャレンジしたいと思ってます。

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