ヘンゲルブロックやBWV170をめぐるあれこれ。カンタータのCDと虹。【復活節後第4日曜日】

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 これまで何度も書いてきたように、現在わたしが最も愛する指揮者は、トーマス・ヘンゲルブロックです。
 そのヘンゲルブロックが、2011年シーズンから、ドイツの名門、北ドイツ放送交響楽団の音楽監督?となることが、決定したようです。

 詳細は、こちら。わたしは読めませんが。

 ヘンゲルブロック、最近は、モダンオケとの仕事が多く、北ドイツ放送響とも何度か共演していますし、さらにはバイロイト・デビューも決定しているようなので、とりたてて驚くことでもないのですが、
 北ドイツ放送響と言えば、クナッパーツブッシュの昔から、やはり、ブルックナーが主要レパートリーの一つ、
 そして、その音楽監督ということなのですから、わたしにとって、この話はちょっと、ただごとではありません。

 このような表現はあまり好みではないのですが、
 運命は、どこに向かおうとしているのか、
 とでも言いたくなってしまう。
 ものすごく自己中心的、個人的な運命ですが。

 かたずを飲んで見守りたいと思います。


 上に貼り付けたHPの写真を見る限り、一時のメタボ状態は脱したようで、一安心。
 頭はあいかわらず、ちょっとさびしげですが。

 それにしても、ヘンゲルブロック、もう10年くらい、ドイツではカリスマ的人気、というキャッチで紹介され続けていますが、ほんとうなのか?



  ☆    ☆    ☆
 

 
 ヘンゲルブロックと言えば、かつてのパートナー、彼の体の一部だったと言ってもよい、フライブルク・バロック・オーケストラが、ベルナルダ・フィンクさんをソリストに迎え、すばらしいカンタータ集をリリースしました。

  
 アルトのためのカンタータ集 (BWV169、170、35収録)

        フィンク&フライブルク・バロック・オーケストラ

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 BWV170については、メナさん(カウンターテナー)&リチェルカールの超名演の実演を聴いたことを、前回のラ・フォル・ジュルネの記事に書いたばかりですし、
 この曲、カウンターテナー版では、それこそキラ星のごとく名盤が存在しますが、
 こと女声に関しては、ベイカー&マリナーの歴史的名演に並ぶものが、ようやく登場した、と言っていいのではないでしょうか。

 それにしても、何と深々と美しく、心にしみる歌声でしょう。
 美しい歌声では、コジェナー盤がありましたが、少しオケがはりきりすぎ。いかにも古楽の最先端といった感じ。
 その点、このフライブルクの演奏は、ヘンゲルブロックの頃そのままの、これがほんとに古楽器か?と思うほど、自然でおおらか、美しい演奏。
 これこそが、ヘンゲルブロックが切り開いた、筋金入りのドイツ古楽の音。
 ゆったりとしたテンポで、フィンクさんの歌声を包みこみます。
 わたしは、コジェナー盤も好きですが、やはり、BWV170はこうでなくっちゃ。

 ちなみに2つ目のバセットヒェンアリア、オブリガートがオルガンの「フリーデマン特訓バージョン」でなく、後年の器楽バージョンです。

 カップリングは、BWV35と169と、後期曲で統一、初期の名作BWV54ははずされていますが、この方が、コンチェルト楽章がたくさんで、その点、フライブルグにぴったりだし、カンタータ入門にも最適。
 すべてのバッハファンにおすすめしたい1枚です。

 ヘンゲルブロックのNDR響シェフ就任はうれしいですが、それによって逆に、彼がカンタータ演奏からますます遠ざかったしまう以上、わたしにとっても、ヘンゲルブロックが育てた(ともに育った)特別なオーケストラで、BWV170を楽しめる、かけがえのないCDと言えます。 



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 さて、前述のように、わたしは、ラ・フォル・ジュルネで、運よくピエルロさん&リチェルカールのBWV170を聴けましたが、彼らの今回のラ・フォル・ジュルネにおける正規のプログラムは、BWV4、131などでした。
 お聴きになったと、コメントをくださった方もいらっしゃいますが、これらの名演で、彼らの演奏の魅力に取りつかれた方も多いことと思います。
 それらの方々に朗報です。
 早速、ピエルロ&リチェルカールの初期カンタータ集がリリースされました。


 Aus der Tieffen 初期カンタータ集 (BWV131、182、4収録)

        ピエルロ&リチェルカール・コンソート


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 当然のことですが、とんでもない名盤。
 厳しく切り詰められた、ともすれば息苦しくなるような初期バッハの名作を、圧倒的な豊かさ、大きさで歌い上げた、実に音楽的な演奏です。
 そして、一番すごいのは、表現しにくいのですが、それでいて、ただならぬ緊張感がしっかりと保たれているところ。
 アルトは、もちろんメナさん。

 実は、BWV131、BWV4は、ヘンゲルブロックの数少ないカンタータ録音にも含まれており、これで両者の聴き比べができるようになりました。
 一昨年にBWV131がリリースされた時には、少し興奮気味に、上記したのとほとんど同じような感想を書いていますね。おもしろい。


 
 ピエルロさんは、ラ・フォル・ジュルネ皆勤賞。
 今や、ピエルロさん&リチェルカールは、ラ・フォル・ジュルネの顔と言ってもいいのでは。
 そして、ピエルロさんの名演を次々届けてくれるMIRARE レーベル、このレーベルには、ラ・フォル・ジュルネで繰り広げられた彼らの名演をCDでリリースするためのレーベル、という側面があるようです。
(マルタンさんは、相当ピエルロさんに惚れこんでるようだ)

 今年、カンタータなどといっしょに演奏された、バッハのおじさんのCDも、
 すでにリリース済み。(こちら

 と、いうことは・・・・、
 ナントで演奏された、ロ短調ミサ、そして、今回東京で臨時に演奏されたBWV170など、今後リリースされる可能性が高い、ということ?

 ヘンゲルブロックVSピエルロさんの、ロ短調ミサ聴き比べができる日も近いかも。

 やはり、わたしにとって、今一番期待できる演奏家は、この二人だな。



 この他にも、カンタータなどのバッハのCD、古楽、ヘンデル、そしてブルックナーなどのCDを、けっこう聴きましたが、よいものもたくさんありました。
 昨年末から、ほとんどご紹介していないので、だいぶたまってしまった。
 
 来週くらいから、順次ご紹介していきたいと思っています。



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 ところで、前回のBWV170の記事で、
 「静かに虹が立ち上るかのような音楽」とか何とか、かなり気取ったことを書きましたが、
 東京で、数日冷たい雨が続いた後、ようやく晴れた夕方、ほんとうに虹がでました。

 数年前くらいまでは、よく虹を見ましたが、最近では、珍しい。
 空を見上げることが少なくなったせいか?


▽ 道行く子どもたちが空を見上げているので、そちらを見てみると・・・・。

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▽ 雲をつきぬける虹。

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▽ 虹を吸い込んだ雲。

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▽ 虹を輝かせた後の静かな落日。

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 植物園にハンカチの木を見に行ったら、もうほとんど散ってしまった後だったが・・・・、


▽ 一つ二つハンカチがのこっていて、甘い濃密な香りは、まだあたりにただよっていた。

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▽ そのかわり、となりの大きな木の、小さな花が満開。
  右の写真の背後の巨木の影は、ユーカリ。

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 今日は、天気がよかったので、ゴーヤを植えた。


▽ 今年は、去年の反省を生かし、一株入魂。
  植えたはいいが、夜になって風が出てきたので、雑誌で防護。(右)

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 最後になりましたが、明日(5月10日)は、復活節後第4日曜日。

 カンタータは、
 1年目のBWV166、
 2年目のBWV108、
 です。

 過去記事は、こちら



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