ジョングルール新HPのご紹介+最近聴いたCDから・オケゲム名盤登場!演奏進化史概略付【聖霊降臨節】

 旭天鵬関、大相撲夏場所での史上最年長初優勝、おめでとうございます!

 
▽ 2005年のハワリンバヤル 春のモンゴル祭りの写真から。

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 一番最初に入門した5人のモンゴル出身力士のお一人で、光が丘で毎年GWに開催されるハワリンバヤル 春のモンゴル祭りには、いつもいらしてくださってました。
 ラ・フォル・ジュルネが始まってからは、ハワリンバヤルに行くことも少なくなってしまいましたが、常にやさしくファンに接してくださる姿が印象的で、ずっと応援していました。

 上の写真は7年前のものですが、旭天鵬関はこの時すでに30代にさしかかっていたはずで、その後の努力を考えると頭がさがります。


▽ おまけ。その他のハワリンバヤルの写真。

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 * ハワリンバヤルの記事 → 2007年 2008年 



 さて、今度の日曜日(5月27日)から、3日間、夏の大祭日、聖霊降臨節です。


 カンタータは、復活節と同じく、名曲が勢ぞろい。

 【聖霊降臨節・カンタータ一覧】をご参照ください。


 過去記事は下記の通り。↓


 <聖霊降臨節>

    お気に入りアリアその2(BWV74)
    永遠の炎、愛の源(BWV34)
    初夏に降りそそぐ灯火~聖霊降臨節 【聖霊降臨節・カンタータ一覧】
    お気に入りのアリア 踊る双子の兄弟(姉妹?)ふたたび~BWV173、184ほか
    お気に入りのアリア 「夏への扉」~BWV68、174
    バッハの「第3年巻」~BWV39、34の話題を中心に



  ☆    ☆    ☆    ☆



 今日は、まずはお知らせから。


 本ブログでもすっかりおなじみ?の、時空を超える中世放浪楽師・ジョングルール・ボン・ミュジシャンの公式HPが新しくなったようです。


 こちら↓

 ジョングルール・ボン・ミュジシャン 公式HP

 
 中世・ルネッサンス期のめずらしい楽器の紹介ページや、カンティガ、トルバドゥール・トルヴェールなどの主な楽曲の解説ページ(サンプル実演映像付き!)など、とても面白いので、ぜひご覧ください。


 なお、次回コンサートのお知らせも出ていますが、会場は何とあの求道会館とのこと。
 思いがけないところに出没し、魅力的な建築たちとコラヴォレーションを繰り広げる放浪楽師、
 これからも、目が離せません。


 これまでの、ジョングルール・ボン・ミュジシャンの記事は、こちら↓

  目白バ・ロック・フェスティバル @ 旧マッケーレブ邸(雑司が谷旧宣教師館)

  年の瀬・都市楽師 日本橋に音が降る @ 三井井本館

  東京・春・音楽祭 桜の街の音楽会 @ 旧岩崎邸庭園洋館




 引き続き、最近聴いたCDから。



 ジョングルール・ボン・ミュジシャンとは直接関係ありませんけど、ちょっと後の時代の古楽のCDです。


 先週、フーガの技法について書いたところですが、フーガの技法のCDのことを書くと、なぜか併せてオケゲムのCDもご紹介することが多く、すっかり恒例みたいになってしまいました。
 これまで本ブログでは、オケゲムについて、すばらしいCDを何枚もご紹介してきましたが、今回も、「究極」と言っていいくらいの高次元の完成度を誇る名演奏です。



 オケゲムに関しては、このブログを始めた頃にリリースされた、アンサンブル・グランドラヴォアのミサ・カプトが衝撃的でした。


 この演奏についてどんなことを書いてるか見てみたら、何と、ジャケット写真しか貼っておらず、グランドラヴォアのグの字も書いていないひどさ。(こちらの記事)
 あんまりなので、この場で簡単に触れておくと・・・・、


 この演奏、一言で言うと、ドドドド迫力!

 かのアンサンブル・オルガヌムとアンサンブル・クレマン・ジャヌカンの歴史的コラボのレクイエム名盤を、さらに極限まで突き進めたような演奏。
 
 大地がうなりをあげるようなすさまじい重低音、
 古代の祭礼をさえ連想させる独特の節回し、リズムで、あたかもすべてが即興であるかの如く奔放に歌い交わされるフレーズ、
 ある時は叫びのように短く、ある時はいつ果てるともなく延々と続くそれらのフレーズは、幾重にも折り重なり、巨大な建築のように積み上がってゆく。

 そんなある種フリージャズみたいな演奏が、オケゲムのワンアンドオンリーな超絶対位法にぴったりで、ことオケゲムに関してはこれ以上の演奏はありえないのではないか、と思われたものです。



 ところが・・・・、


 この後、あの「ミサ・クユスビス・トニ」を演奏可能な4種類すべての旋法で見事演奏し分ける、という、歴史的快挙、とも言える驚くべき演奏が登場。

 これについては、さすがにきちんと感想を書きました。(こちらの記事)

 このアンサンブル・ムジカ・ノーヴァの演奏は、やはり歴史的名演とされるヒリヤード・アンサンブルのレクイエムの路線をつきつめたようなもので、その精緻極まりない、真摯な演奏によって初めて、奇跡の対位法作品・クユスビス・トニがその全貌をあらわにした、と言って過言ではないと思います。



 また、この前後には、オケゲム演奏の基礎を築いてきた、
 クリトゥス・ゴットヴァルト&スコラ・カントゥルム・シュトットガルトや、(こちらの記事
 ターナー&プロ・カンティオーネ・アンティクヮや、ホルテン&ムシカ・フィクタなどの演奏の、(こちらの記事
 自然さ、あたたかさを再発見したりしました。



 そして今回、オケゲムの作品の中でも最も名高い件の名作・レクイエムに、正に上にあげた歴史的な名盤にも比肩しうるような、たいへんな名盤が誕生いたしました。

 
 オケゲム&ラ・リュー レクィエム 

  S.ブル&カペラ・プラテンシス


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 CDをかけたとたん、とてつもなく巨大な音楽世界がふわーーっとやさしく広がります。
 どこまでもスケールが大きく、自然。
 自然、とかんたんに書きましたが、あからさまにまったく自然ではないオケゲムの音楽が、ここまで自然に美しく響く、ということ自体が、実はとんでもないこと。
 その意味で、古き良き名盤の系譜を継ぐ演奏と言えるかも知れませんが、E・オルガヌム&E・クレマン・ジャヌカンの迫力、ヒリヤード・Eの精緻さをもしっかりと併せ持っており、それらが極めて高度な次元で融合している、と言ってしまってもいいかもしれません。

 この演奏によって、オケゲムのレクイエムという名作が、ついにその普遍的な「真の姿」を現した、と言っていいのでは。
 現存する史上最古のポリフォニー・レクイエムは、史上最高再美のレクイエムでもあった!


 やはり、この時代の作曲家の、この種の音楽に対する視点はただごとではない。
 こうなると、この超名曲の範となったであろう、デュファイ大先生の幻のレクイエムへの思いが、ますますふくれあがります。
 そんなことまで考えさせられてしまう「究極の」名演。


 もちろん、ラ・リューもいいよ。


▽ いっしょに撮ってみました。右が、カペラ・プラテンシス盤。左は、上記グランドラヴォアの名盤。

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 さて、このレクイエムに関して、

 まだ未聴ですが、実は、このカペラ・プラテンシス盤に前後して、上にも登場した元祖名盤を録音したポール・ヒリアーが、手兵の北欧の合唱団を指揮した新盤を、満を持してリリースしたとのこと。(こちら→のニュース。HMVのHP

 現在主流の少人数アンサンブルに対して、やや多めの「合唱団」による演奏のようですが、これは興味深い。果たしてどのようなことになっているか・・・・!!??


 進化し続けるオケゲム演奏。

 これからも目が離せない!



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

ANNA
2012年05月27日 00:16
Noraさん、こんばんは。

オケゲムのレクイエム、いいですねー大好きです。
「あなたの好きなレクイエムは?」と誰かに聞かれたら
何曲か思い浮かべる中の1曲にオケゲムのレクイエムが入ります。

私は、ヒリヤード・アンサンブルの演奏でこの曲と出会いました。
1曲目のイントロイトゥスをはじめて聴いたときの衝撃、自分が誰なのか
今どこにいるのか?そんなことをすっかり忘れて音楽に聴き入ったことを
覚えています。

Noraさんご紹介のカペラ・プラテンシス盤、早速聴いてみたいと
思います!

2012年05月28日 15:30
 ANNAさん、
 オケゲムのレクイエム、ほんとうにいいですよね。
 他のレクイエムになると、多かれ少なかれ個人的な感情が入り込んできて、それがいい、という方も多いとは思いますが、オケゲムの作品はそういう感情を超越したまなざしが独特だと思います。時代がちがう、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、十分に現代にも通じる、というか、現代だからこそ通じるものもあるような気がします。
 ヒリヤード・アンサンブルやタリス・スコラーズの登場はほんとうに衝撃的でした。あまりにもすごかったので、現在でも代表盤として必ずあげられるくらいですが、もちろん次々と良い演奏が登場しているので、ぜひ聴いてみてください。
 ただ、そのヒリアーの新盤がリリースされたようなので、ものすごーく気にはなっています。
 
ANNA
2012年06月03日 23:23
Noraさん、こんばんは。

カペラ・プラテンシス盤のオケゲムのレクイエム、聴いてみました。
このアンサンブルの録音を聴くのは、今回が初めてです。
これは、すごい。なんて豊かな響きなのでしょうか!
声の波動にふぁーっと体ごと浮くような浮遊感が心地よく時間を忘れて
音楽に浸っています。

ヒリヤー&アルス・ノヴァ・コペンハーゲンのオケゲムのレクイエム、ガーディナーのモテット(ロンドンライヴ)なども一緒に買い求めて手元にあるのですが、カペラ・プラテンシスのオケゲムがとても気に入っているので、
いまのところこればかり聴いていて、未聴のままです。

大好きなオケゲムのレクイエムで、かけがえのない演奏にまた出逢えたように思います。ご紹介くださってありがとうございました。
2012年06月04日 23:15
 ANNAさん、お聴きになりましたか!
 おっしゃるように、この演奏の魅力は、自然な「豊かさ」ですね。
 後半には、オケゲムならではの迫力満点な声部のからみも炸裂しますし、このような演奏を聴くと、もはや中世や初期ルネッサンスの音楽も、決して特殊な音楽ではないんだ、という思いがより強くなります。
 ヒリアーの録音は、現代曲をはさんだ試みになっているようなので、より現代に直接訴えかける内容になっているのではないでしょうか。

 ガーディナーのモテットとは、バッハの新盤ですね。
 以前記事に書いたヴォーチェス8の斬新な演奏を聴いてから、再びバッハのモテットの魅力にはまり、あれこれ聴き直しているので、このCDも気になっていました。
 バッハのモテットも、葬送を目的として書かれたものが多いですが、余計な感情を排除し、ただひたすら対位法的に音楽を積み上げていく点で、オケゲムのレクイエムとも不思議な共通点があるように感じます。 

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